平成29年度 校内研究全体計画
亀岡市立安詳小学校
1 研究の経緯                              
 
 平成27年度は「学ぶことの楽しさをどの子も味わうことのできる授業づくり」と研究主題を「ユニバーサルデザインの視点を活かした授業作り」から一新した。ユニバーサルデザインの視点を活かした授業づくりを大切にしながら、何かができるようになるために「学ぶ」のではなく、「学ぶ」という営み自体が目的になるようにするには、どんな仕掛けが必要か、普段からどんな仕込みが必要かを探求してきた。
 平成28年度は、「全ての児童が学びと育ちを楽しむ学校づくり」の視点から、学びの場を「どの子も楽しめる」場にすることを大切にしながら研究を進めてきた。これは、多様に生きる「どの子もが楽しめる」環境の中でこそ、一人一人が自己肯定感を高め自己有用感を育てることができると考えたからである。ふだんからどの子もが学びを楽しむ授業をつくっていくための授業方略の開発と蓄積に焦点を当て、全体授業研究や公開授業研究に取り組んできた。
 また、主題の実現に向けて、「自ら挑戦する学び」と「多様な人々と協働する学び」を楽しむという視点を副題に掲げ、「アクティブ・ラーニング」及び「主体的」「協働的」に学ぶための支えとなる「ケアリング」の視点を活かした授業作りを進めてきた。
 昨年度の研究で確かめられたことは以下のとおりである。

〈「自ら挑戦する学び」を楽しむ〉ために
@「切実性」のある課題との出会わせ方がその後の授業展開を左右する。
A継続して学びを深めていくために「対話」による追求の設定が深い学びに導く。
B「拡散思考」で充分学びを味わわせ、授業終盤では収束的思考へシフトすると、その時間の学 びが、違う場・違う時に再構成されやすくなる。
C自己評価(自分の育ちに気づかせるしかけ)をすることで、自己肯定感や自己有用感が上がり 次の学習への意欲が高まる。
Dどの子もジャンプしたいと思わせる授業構成で、自ら学びを楽しもうとする子どもが増える。

〈「多様な人々と協働する学び」を楽しむために〉
@少人数グループでの学習(三人テーブル・ペア学習等)を日常的に取り入れることで、生活そ のものの中での対人スキルを身につけられる。
A聴く力・聴き合う力・訊く力を全ての領域で育むことで、授業がよりレベルアップする。
 
 また、全体授業研究会とともに、一人一人が指導案を書き、全員授業の公開をした。どの授業も研究主題に迫るために工夫されており、昨年度までの実績の上に様々なアレンジやバリエーションも加わり、新しい取組への挑戦が見られた。教員一人一人の授業力アップに十分な成果が表れたと考えている。
2 研究主題

学ぶことの楽しさを
どの子も味わうことのできる授業づくり

〜「自ら挑戦する学び」と「多様な人々と協働する学び」〜
 
 
3 主題設定の理由
 
 本校は、学校経営の基本方針に「自分を知り自分を活かして仲間と協働する児童の育成」を掲げている。自分を活かして仲間と協働する子は、帰属する集団の中に自分の居場所を認めることができ自己有用感を高めることができる。そして、自分に自信を持ち意欲を高めることができる。本校が目指す子どもの姿である。ただ、自分を活かすには、自分のよさを知り自己肯定感を高める必要がある。自分のよさを知っているからこそ、それを誰かのために活かせるのである。
 どうすればよいか。私たちは「全ての児童が学びと育ちを楽しむ学校づくり」の視点から取り組みたいと考えている。多様に生きる「どの子もが楽しめる」環境の中でこそ、一人一人が自己肯定感を高め自己有用感を育てることができると考えるからである。
 それでは、これを実現するために、研究推進の立場から何ができるか。それは、学びの場を「どの子もが楽しめる」場にすることである。「多様な子どもの一人一人が学びを楽しむために、どのような授業をつくっていくのか」一見当然のように見えて、実はきわめて難しい問いが私たち研究同人に向けられている。これまで、この問いに真摯に向き合い、同人の知恵と実践力を結集して、校内研究に取り組んきた。
 これまで積み上げてきた「研究の経緯」があり、そして、全体授業研究や公開授業研究、また職員研修を通して着実に取組を前に進め、大きな成果を認めてきたところである。特に、ここ数年はふだんから「どの子もが学びを楽しむ」授業をつくっていくために、「自らジャンプする学び」と「多様な人々と協働する学び」を礎に、発達や学習経験を考慮したさらなる指導法の開発と蓄積に全体授業研究や公開授業研究に取り組んできた。時間をかけ「学ぶ土台」を築き上げてきたのである。本年度の研究は、これまでの研究を確実なものにしていくために次のステップへ進む段階へときている。それは、昨年度の研究をベースに「全ての児童が学びと育ちを楽しむ授業」が、質の高い「学び」へと導き、児童の変容が科学的に明らかになっていくことである。
 したがって、本年度の研究主題は、昨年度に引き続き「学ぶことの楽しさをどの子も味わうことのできる授業づくり」とする。一人一人の教員が、本校で積み上げてきた研究やそれぞれの経験から学んできたことを活かし、どの子もが授業を楽しむことのできる方略について研究し、児童の変容を追跡しながら研究を進めていきたい。また、この主題の実現に向けて、「自ら挑戦する学び」と「多様な人々と協働する学び」を楽しむという視点を副題に掲げ、安詳小学校スタイルの「アクティブ・ラーニング」を確立していきたいと考える。さらに、これまでから意図的に取り組んでいるケアリングの視点を、授業づくりに活かしていきたい。主体的に学ぶためにも協働的に学ぶためにも、ケアリングが大きな役割を果たしている。授業方略の開発と蓄積をめざす中で、意図して取り組んでいきたい。