平成28年度 校内研究全体計画
 
亀岡市立安詳小学校
 
1 研究の経緯
 平成26年度は、「ユニバーサルデザインの視点を活かした授業づくり」を研究テーマに掲げ、職員全体で環境整備に取り組むと共に、「視覚化」「共有化」「焦点化」を意識した授業づくりにり組んできた。さらに、児童にとって切実姓のある課題を設定することや、少し高いレベルの「ャンプ」が必要な課題に取り組ませることで、どの児童も主体的に関わろうとする場を作り、ひては基礎を学んでいくという授業を構想してきた。また、「拡散的思考」で自由に発想すること十分楽しんだ後、どのように「収束的思考」へシフトして学びを確かなものにするかなど、どのもが学びを楽しむために、全職員が試行錯誤して研究に取り組んできた。
 これを受けて、平成27年度は「学ぶことの楽しさをどの子も味わうことのできる授業づくりと研究主題を一新し、日々の授業づくりから試行錯誤してきた。ユニバーサルデザインの視点をかした授業づくりを大切にしながら、さらに学校に登校したすべての児童が楽しいと感じる授業在り方について具体的に考えていった。何かができるようになるために「学ぶ」のではなく、「ぶ」という営み自体が目的になるようにするには、どんな仕掛けが必要か、普段からどんな仕込が必要かを探求してきた。
 昨年度までの研究で確かめられたことは以下のとおりである。
@「基礎的な知識・理解・技能」「基礎的な体力・調整力」「基礎的な生活習慣」「基礎的な授業 規律」は、「学び」を楽しむための必要条件として、整備しておかなければならない。それは、 低学年ほど比重が高い。
A学年が上がるにつれて、挑戦する楽しさを味わえる場(JUMPする学び)を授業の中で増や していくと授業そのものの楽しさが増す。勉強が苦手だと思っている児童でも、みんなと一緒 に難易度の高い活用問題に挑戦すると夢中になって取り組めるので、ついにはわかるという経 験もできる。「学ぶことは楽しい」という経験をたくさんすることで学習に打ち込む時間も増 え、量をこなしている間に、自然と基礎に気付くこともあった。そうなるためには、「知りた い!」「何とかしたい!」「役に立ちたい!」と思わず突き動かされるような切実性のある課 題と、上手く出会わせることが大切になってくる。さらに、「教材との対話」「自分との対話」 「仲間との対話」が起きるような、指導者の働きかけが重要になってくる。新鮮な興味が常に みなぎっている場では、子ども達は自ら生き生きと学び続けた。
B低学年ではペア学習、学年が上がるにつれて3人テーブルなど、自分が学びの主体者となって 思いを発信し、相手の思いを聴ききるという時間の設定が、授業の楽しさを増すことにつなが っていった。また、協働的な学びを成立させるためには、ケアリングによる温かい人間関係が 土台になければならない。「わからない」と自由に言える雰囲気の中でこそ、より深い学びを 楽しむことができた。 また、研究を進めていく上で何よりも重要だったことは、職員の同僚性である。「授業づくり「環境整備」ともに、教職員全体で協働し、研究主題をいつも意識して取り組んできたことで、分な成果が表れたと考えている。

2 研究主題

学ぶことの楽しさを
どの子も味わうことのできる授業づくり

〜「自ら挑戦する学び」と「多様な人々と協働する学び」を楽しむために〜

3 主題設定の理由
 本校は、学校経営の基本方針に「自分を知り自分を活かして仲間と協働する児童の育成」を掲げている。自分を活かして仲間と協働する子は、帰属する集団の中に自分の居場所を認めることができ自己有用感を高めることができる。そして、自分に自信を持ち意欲を高めることができる。本校が目指す子どもの姿である。ただ、自分を活かすには、自分のよさを知り自己肯定感を高める必要がある。自分のよさを知っているからこそ、それを誰かのために活かせるからである。
 どうすればよいか。私たちは「全ての児童が学びと育ちを楽しむ学校づくり」の視点から取り組みたいと考えている。多様に生きる「どの子もが楽しめる」環境の中でこそ、一人一人が自己肯定感を高め自己有用感を育てることができると考えるからである。
それでは、これを実現するために、研究推進の立場から何ができるか。それは、学びの場を「どの子もが楽しめる」場にすることである。「多様な子どもの一人一人が学びを楽しむために、どのような授業をつくっていくのか」一見当然のように見えて、実はきわめて難しい問いが私たち研究同人に向けられている。私たちは、この問いに真摯に向き合い、同人の知恵と実践力を結集して、校内研究に取り組んでいきたいと思う。
 実は、この問いに対して、私たちは数年来取り組んで来ている。ユニバーサルデザインの研究を基盤に展開してきた本校の研究は、先に「研究の経緯」で述べたとおりである。全体授業研究や公開授業研究、また職員研修を通して着実に取組を前に進め、大きな成果を認めてきたところである。ただ、今の段階では、授業方略の蓄えがまだまだ不十分と感じている。ふだんからどの子もが学びを楽しむ授業をつくっていくために、発達や学習経験を考慮した多様な授業方略は大いに役立つはずである。本年度の研究は、この授業方略の開発と蓄積に焦点を当て、全体授業研究や公開授業研究に取り組んでいきたい。
 したがって、本年度の研究主題は、昨年度に引き続き「学ぶことの楽しさをどの子も味わうことのできる授業づくり」とする。一人一人の教員が、本校で積み上げてきた研究やそれぞれの経験から学んできたことを活かし、どの子もが授業を楽しむことのできる方略について研究していきたい。また、この主題の実現に向けて、「自ら挑戦する学び」と「多様な人々と協働する学び」を楽しむという視点を副題に掲げた。これは、アクティブ・ラーニングを構成する二つの重要な要素を、本校の研究に合わせてまとめたものである。「基礎的・基本的な学び」の大切さを共有しながら、授業づくりや授業評価の視点にしていきたい。さらに、昨年度から意図的に取り組んでいるケアリングの視点を、授業づくりに活かしていきたい。主体的に学ぶためにも協働的に学ぶためにも、ケアリングが大きな役割を果たしている。授業方略の開発と蓄積をめざす中で、意図して取り組んでいきたい。

4 研究構想図
    (別途PDFファイルへリンク)

5 研究方針
<「自ら挑戦する学び」を楽しむために>
 ・切実性のある課題との出会わせ方
 ・継続して学びを深めて行くための対話による追求の設定
 ・拡散的思考で十分学びの楽しさを味わわせる。可能であれば収束的思考へのシフトへ。
 ・自己評価(自分の育ちを気付かせるしかけ)
 ・どの子もジャンプしたいと思わせる授業構成
 ・次の学びへの欲求の喚起
 ・読書活動の充実による本に親しむ習慣の定着  等

<「多様な人々と協働する学び」を楽しむために>
 ・少人数グループでの学習(三人テーブル・ペア学習等)
 ・聴く力・聴き合う力・尋く力の育成(「MIM」「聞くトレ」等)
 ・特別活動の「話し合い活動」等の取組と連携した、話す力・伝える力の育成
 ・学級活動内での、自己肯定感・自己有用感の育成 等

★それらを支えるために大切にしていくもの
教職員研修
 ・年間通じてのティーチャートレーニングによる指導力量の向上
 ・業前・業間も含めた体力向上の取組推進(安詳ジャンプ等)
 ・先進校や同僚等に積極的に学ぼうとする職員研修(視察研修・本校での講演会・OJT等)
 ・科学的アプローチによる情報の収集と分析・活用

学級経営
 ・生徒指導・特別支援教育の理念に基づき、集団との関わりの中で、個の教育的ニーズを  充足する取組
 ・ユニバーサルデザインの視点を大切にした日々の基礎的環境づくりと実践